① 病院かクリニックどちらにするか
病院とクリニックの違いの大きなところは入院施設があるかないかになります。入院を前提とした治療を希望される場合は病院を受診されることをお勧めします。
しかし入院が必要かどうかわからない、入院は考えていない場合はクリニックをお勧めします。
病院はあくまで入院治療を中心に行っており、外来診療を毎日やっていたとしても担当になる主治医は週に1~2日しか外来をやっていない、土曜は診療していないという場合が多く、お仕事や学校に行かれている方は休みの調整が難しく通院の負担が大きくなるからです。
また大学病院など大きな病院では医師の入れ替わりも多いため、主治医が毎年のように代わるといったことも起こり得ます。
② 通院の負担はないか
こころの医療は一度の受診で終わることが少なく、継続的な受診が必要になることも多いです。
そのため、自宅から遠方である、車で通いたいのに駐車場がないといった不便さがあると通院の負担が大きくなり、ちょっとしたことで相談ができません。
個人差はあると思いますが、概ね30分以内で通院できる病院が良いでしょう。
③ 医師の経験は十分か
今の日本の制度では医師が心療内科(精神科)と名乗れば(届け出れば)すぐに診療ができます。つまり診察医が初期研修を終えたばかりの医師や外科から心療内科に変えた医師といったこころの医療の経験が浅い医師が担当することも十分にあり得るのです。
こころの医療も例外なく医師の技術や経験が治療成績に大きくかかわります。医師に直接経験を尋ねることは難しいと思いますが、ホームページなどで経歴を載せている場合は必ず確認するようにしてください。
さらに「内科、心療内科」「脳神経外科、心療内科、精神科」といった複数の科を掲げている医療機関も多く、こころの医療の経験がない場合でも「心療内科」や「精神科」を標榜している可能性があります。
経歴で分かりにくい場合は、こころの専門医の証拠である「精神科専門医」「心療内科専門医」「精神保健指定医」といった資格があるかどうかは1つのポイントになります。
また依存症や児童精神科など専門的な分野で受診を考えている場合はその領域に精通しているか確認しましょう。
④ 心理士がいるか
こころの医療では医師の精神療法が基本になりますが、時間をかけて行うカウンセリングも必要になることもあります。しかし日本の医療保険制度ではごく一部の限定した状況でしか心理士が行うカウンセリングの保険適応を認めていません。
そのため心理士がいても保険適応とはならず、カウンセリングを自費もしくは無料でしか現状行うことしかできず必要な医療行為であっても心理士を雇うことは病院にとって経営的な負担となるため心理士がいないことも多くあります。
つまり心理士がいる病院は治療を優先している表れでもあります。ただ、病院によっては自費のカウンセリングを必要以上に勧めてくるところもありますので、その場合は注意が必要です。
⑤ ホームページはきちんとしているか
今の時代はホームページがない病院は少ないので必ずホームページを確認してください。
ホームページを見るだけで院内の雰囲気や医師の経歴、その病院が大事にしていることがわかることもあり、その病院のことを知る貴重な情報です。Googleなどの口コミも1つの参考にはなりますが、偏った意見になっている可能性もあるのであくまで参考程度が良いのではないかと思います。