パニック障害について|福岡市西区姪浜の心療内科・精神科|ひとやすみこころのクリニック

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パニック障害について

PANIC DISORDER

パニック障害について

パニック障害とは

パニック障害とは

パニック障害は、私たちが混乱した時に普段使う「パニック」という言葉のイメージと違い、突然激しい恐怖や不安が襲ってくる「パニック発作」が起きる病気です。パニック障害のパニック発作は予測できるものと、いつ起きるか予測できないものがあり、睡眠中にも起きることがあります。

パニック発作を繰り返すうちに「また発作が起きたらどうしよう」という「予期不安」を引き起こします。場合によってはパニック発作が起きそうな状況を避ける「回避行動」も見られ、日常生活において大きな制限を受けることになります。

パニック発作の症状は急に激しく起き、「このままだと死んでしまうのではないか」と感じることもあるため、救急車で運ばれる場合もあります。しかし検査をしても体に異常は見つからず、原因が分からずに困ってしまうことがあります。

パニック障害は小児や高齢者ではあまりみられず、思春期後半~成人期にみられることが多いです。また、女性は男性に比べて2倍かかりやすいと言われています。

パニック障害の原因ははっきりとした原因は分かっていませんが、個人の性格や環境、遺伝、過去のトラウマなどの要因が関係していると考えられています。また、喫煙はパニック発作、パニック障害に悪い影響を与えると言われています。

パニック発作はパニック障害以外でも起きることがあります。代表的な病気に広場恐怖症があります。広場恐怖症とは、人混みや電車の中、高速道路を走っている車の中など「逃げ場がない」、「自分でコントロールできない」と感じる場所で強い不安、恐怖を感じる病気です。パニック障害に合併しやすいことで知られています。

パニック障害の症状

パニック障害の主な症状はパニック発作で、突然激しい恐怖、不安があらわれます。発作は数分以内にピークに達し、以下のような症状も一緒に見られることがあります。

  • 動悸、脈が速くなる
  • 汗をかく、手足が震える
  • 息切れ、息苦しさ
  • のどが詰まる感じがする
  • 胸の痛みや不快感
  • 吐き気、めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
  • 寒気やほてりを感じる、感覚がなくなる
  • 現実ではない感じがする
  • どうにかなってしまいそう、このまま死んでしまうのではと感じる

ただし、これらの症状は他の体の病気(甲状腺の病気や不整脈、貧血など)が原因で起きることもあるので注意が必要です。

パニック障害の治療

パニック障害の治療

パニック障害の治療は、薬物療法と心理療法の2つが主となります。

薬物療法:抗不安薬や抗うつ薬が一般的に処方されます。抗不安薬はすぐに効果を感じられるため、実際にパニック発作が起きた時にも使うことができますが、依存や耐性の問題もあるため、長期的な使用には注意が必要です。

抗うつ薬は、特にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という種類の薬がよく使われます。抗うつ薬による治療は、飲み始めは副作用が出やすく、効果を感じられるのに1ヶ月以上かかることが普通です。継続して治療することが難しく感じるかもしれませんが、長期的には根本的な治療に役立ちます。

上記が基本的な治療ですが、パニック発作が起きる状況や程度に応じてどのような薬物療法を行うか判断します。

心理療法:パニック障害の心理療法で大切なのは、「今起きている症状はパニック発作によるものだ」ということや「発作で死ぬことはない」ということを知ることです。何が起きているか全くわからない状態と比べると、そのような知識を身に着けるだけでも少し落ち着く可能性があります。

薬物療法に加えて心理療法の1つである認知行動療法も効果的とされています。ものの見方・考え方(認知)や行動を変えていく治療で、不安症状の原因やきっかけを理解し、それに対処する方法を学ぶことが中心となります。パニック障害の場合、認知行動療法を行うのはある程度パニック発作が落ち着いてからが望ましいです。当院では心理士による認知行動療法(自費)を行っています。

対処方法

その他にも、他の不安障害と同じく日常生活の中で不安を和らげるための方法がいくつかあります。

  • 呼吸法やアロマ、ヨガ、音楽など、自分にとってリラックスできる方法を取り入れる
  • 適切な睡眠を確保する
  • カフェインの摂取を控える
  • お酒やたばこを控える

パニック障害は生活の質を大きく低下させる可能性がありますが、適切な治療や対処法によって、その影響を最小限に抑えることができます。何らかの症状に悩まされている場合、早めに医師や専門家に相談することが大切です。

上記はあくまで一般的なパニック障害についての情報です。個々の状況や病状に応じて個別のアプローチが必要になることも多いため、分からないことや不安なことがあれば、まずは主治医に相談しましょう。