統合失調症について
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統合失調症について
SCHIZOPHRENIA
統合失調症とは、考えや感情をまとめることが難しくなり、幻覚や妄想といった症状が出てくる病気です。そのために学校や仕事、家庭などの日常生活を送ることが難しくなります。
統合失調症は約100人に1人が発症すると言われています。思春期から青年期(10代後半~30代半ば)に発症することが多く、女性の方が比較的遅く発症する傾向があります。
統合失調症の原因はストレスや環境、遺伝など様々な要因が考えられていますが、はっきりとは分かっていません。脳の神経伝達物質のバランスの乱れが関係していると考えられています。
統合失調症の症状は、幻覚や妄想といった本来はないものが見られる「陽性症状」、意欲や気力、感情といった本来あるはずのものが見られなくなる「陰性症状」があります。症状の出方には個人差が大きく、病気の経過によっても症状が変わることがあります。
症状の一例として、自分にだけ聞こえる声や、自分だけが特定の出来事や状況を悪くとらえることなどが挙げられます。自分にしか分からないため、他の人に相談しても否定されることが多く、なかなか理解してもらえず辛い思いをすることがあります。
これらの症状は非常にリアルに感じられるものですが、脳の病気が関係していることが多く、治療を受けることで改善する可能性があります。
その他に、不眠、不安、緊張、些細なことに敏感になる、なんとなく落ち着かないといった統合失調症に限らない症状がみられることもあります。
統合失調症の治療は、薬物療法が基本です。「抗精神病薬」という種類の薬を中心に使いますが、病状に応じて薬を選択、調整していきます。飲み薬だけでなく、1~3ヶ月に1回の注射で済むお薬もあります。
薬物療法に加えて心理社会的な治療も重要です。特に、自分の病気について知り、病気の症状に気づくことができるようになる「心理教育」は、症状の安定や再発予防にとって大事です。また、社会生活機能を保つための生活訓練や精神科リハビリテーションも重要です。
その他の専門的な治療として、修正型電気けいれん療法(mECT)を行うことがあります。
統合失調症はきちんと治療すれば安定した状態で生活ができるものの、長く付き合っていく必要がある病気です。病気の特徴から自分が病気であると自覚するのは難しいですが、そのまま放置すると徐々に症状が悪化し、回復が難しくなるため、早めに治療することをお勧めします。
上記はあくまで一般的な統合失調症についての情報です。個々の状況や病状に応じて個別のアプローチが必要になることも多いため、分からないことや不安なことがあれば、まずは主治医に相談しましょう。