妄想性障害について|福岡市西区姪浜の心療内科・精神科|ひとやすみこころのクリニック姪浜院

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妄想性障害について

DELUSIONAL DISORDER

妄想性障害について

妄想性障害とは

妄想性障害とは

妄想性障害とは、現実には起こりえない、または非常に可能性が低いことを強く信じ込む病気です。本人にとって妄想は事実であり、周囲がどんなに説明しても訂正することが難しいのが特徴です。

妄想に関連すること以外の思考や行動は比較的保たれており、統合失調症のような明らかな認知機能の低下や幻覚を伴わないことが多いです。しかし、妄想に左右された言動や行動によって社会生活や人間関係においてトラブルが起きることがあります。

妄想性障害のはっきりとした原因は不明ですが、ストレスや環境、遺伝など様々な要因が考えられています。統合失調症より高い年齢層で発症することが多く、生涯有病率は0.2%と言われています。

妄想性障害の症状

妄想性障害の中心的な症状は妄想です。妄想の内容によって、以下のようなタイプに分類されます。

1. 被害妄想型(最も一般的)

  • 誰かに監視されている、嫌がらせをされていると信じ込む
  • 近隣住民や職場の同僚に陰謀を仕掛けられていると思う
  • 警察や政府機関から狙われていると感じる

2. 誇大妄想型

  • 自分が特別な能力や知識を持っていると信じる
  • 世界を救う使命がある、神や歴史的偉人と繋がっていると考える

3. 嫉妬妄想型

  • 配偶者や恋人が浮気をしていると強く疑う
  • 証拠がないのに尾行したり、問い詰めたりする

4. 被愛妄想型

  • 有名人や立場のある人が自分を愛していると思い込む
  • 相手の行動を自分への好意の証だと誤解する

5. 身体妄想型

  • 体が腐っている、体の中に寄生虫がいると信じる
  • 体臭がひどい、醜い病気にかかっていると感じる

妄想性障害と間違えられやすい病気

妄想は、以下の病気でも見られることがあるため、正しい診断を受けることが大切です。

  • 統合失調症:妄想以外にも幻覚や思考の混乱が見られる
  • うつ病や双極性障害:気分の問題だけでなく妄想を伴う場合もある
  • 認知症:記憶障害や判断力の低下も伴うことが多いが、最初に妄想が目立つケースもある

また、薬物やアルコールの影響、体の病気(慢性硬膜下血腫、てんかん、甲状腺機能低下症など)でも妄想が見られることがあります。

妄想性障害の治療

妄想性障害の治療では、薬物療法や本人の安心感を高める環境調整が中心です。「抗精神病薬」という種類の薬を中心に使いますが、病状に応じて薬を選択、調整していきます。
妄想性障害の人は「自分は病気ではない」と考えやすく、治療の継続には周囲のサポートも重要です。

周囲の方の対応のポイントとしては、以下のようなことが重要です。

  • 否定しない:無理に妄想を訂正しようとすると、関係が悪化する
  • 冷静に対応する:感情的にならず、落ち着いて接する
  • 信頼関係を築く:安心できる環境を整え、医療機関への受診を促す

妄想が原因で仕事や家庭生活に支障が出ることもあるため、早めの相談が大切です。

まとめ

妄想性障害のまとめ

妄想性障害は、現実ではありえないことを強く信じ込む病気です。自分が病気であると自覚することが難しい病気ですが、適切な治療とサポートにより、妄想の影響を最小限にし、生活の質を向上させることが可能です。

上記はあくまで一般的な妄想性障害についての情報です。個々の状況や病状に応じて個別のアプローチが必要になることも多いため、分からないことや不安なことがあれば、まずは主治医に相談しましょう。