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コロナウイルス感染症が現在第三波として再び感染拡大している状況です。これ以上拡大させないように、再び外出等の自粛をするような呼びかけが始まりました。コロナウイルスに感染しないことももちろん大切なことですが、メンタルヘルスを扱う医療者としては「コロナうつ」も心配です。
※厚生労働省ホームページより引用
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html
「コロナうつ」という言葉はTVやインターネットでもよく使われているので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?今回はその「コロナうつ」についてご説明させていただき、次回「コロナうつ」に陥らない予防策をお伝えしたいと思います。
まず「コロナうつ」は医学的に正確な病名ではありません。医学的には「適応障害」もしくは「うつ病」という病名になります。両者の違いについては今後ブログでお伝えしますが、「コロナうつ」とは「コロナウイルス感染症という大きなストレスによって引き起こされる感情面や身体面の様々な症状により、社会生活に大きな障害が生じている状態」と考えてください。
「コロナうつ」の具体的な症状は以下のようなものがあります。
感情面
・気分が落ち込む
・やる気が出ない
・楽しめない
・不安が強い
・仕事や学校に行きたくない
・人に会いたくない
・集中力がない
・イライラする
・理由もないのに涙が出る など
身体面
・眠れない、寝すぎてしまう
・食欲がない、食べ過ぎてしまう
・動悸がする
・息苦しい、胸が締め付けられる
・めまいがする
・頭痛
・腹痛、下痢、便秘
・耳鳴り
・胃が痛い
・体が重い など
コロナウイルス感染症のストレスについてもう少し深く見ていきますと、大きく分けて3つあります。
①感染しないか、または人に感染させないかといった不安や恐れ
②経済がストップし雇い止めや賞与カットなどの経済的な打撃
③外出自粛や在宅勤務による環境の大きな変化
コロナウイルス感染症の始まりは諸説あるようですが、2019年12月中国で原因不明の肺炎が報告され、翌月には日本でも確認されました。つまり、この未知の感染症が始まって少なくとも1年近く経過していることになります。上記に挙げた大きなストレスに対処するだけでも大変なのに、それに加えて長期に及んでいるということがメンタルヘルスにとって大きな問題なのです。
人間にはストレスと対峙したときに脳からの指令で副腎皮質という臓器からストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌が増加します。このホルモンによって心拍数を増加させ、筋肉の緊張や集中力を高め、ストレスに対処しようとします。しかしこのストレスホルモンの過剰分泌は脳にとって好ましいものではなく、長期に脳がこのホルモンにさらされると脳にダメージを受けることが分かっています。それがメンタルヘルスの不調につながっていきます。
※日経gooday30+より引用
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO14746600R30C17A3000000?page=2
つまりコロナウイルス感染症は全員に関係するものであり、この多大なストレスが長期に及び、さらに外出制限によってストレス解消法が限られている状況は、誰でも「コロナうつ」になる可能性があります。コロナウイルス感染症にかからないことも大切ですが、「コロナうつ」にかからないように気を付けましょう。
院長 柳原孝章