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前回の投稿で「コロナうつ」について説明いたしました。今回はその「コロナうつ」にならないようにはどうしたら良いかお伝えしたいと思います。
「コロナうつ」とは「コロナウイルス感染症という大きなストレスによって引き起こされる感情面や身体面の様々な症状により、社会生活に大きな障害が生じている状態」でした。つまりこのストレスを適切に処理することで「コロナうつ」の予防ができるということになります。
ストレスに対処する行動をストレスコーピングと呼びますが、ストレスコーピングの代表的なものは以下のようなものになります。
①ストレスを解決する(問題焦点型)
②ストレスを発散させる(気晴らし型)
③ストレスの見方を変える(認知再評価型)
④ストレスに対する感情を認識する(情動焦点型)
実際に「コロナうつ」に対するストレスコーピングとは具体的にどうするのか見ていきましょう。
①ストレスを解決する(問題焦点型)
コロナウイルス感染症というストレスを解決することですので、究極的に言えばコロナウイルスのワクチンが開発される、もしくは治療薬が開発されてコロナウイルス感染症(の脅威)がなくなるということです。これに関しては世界中の研究者が日夜頑張っており、一個人でできることではありません。
完全に解決することは難しいですが、部分的にストレスを解決する(減らす)ということはできます。コロナウイルス感染症にかかるリスクを下げることです。特に厚生労働省から3密(密集、密接、密閉)を回避し、外出時や会話時のマスク着用、帰宅時や食事前の手洗いを徹底するように注意喚起がされております。
②ストレスを発散させる(気晴らし型)
これはイメージがつきやすいかと思います。文字通り、ストレス解消につながるような活動(趣味、運動、ペットと過ごすなど)を行うことです。外出することや友人と飲みに行くことでストレスを解消していた方はストレス解消法が制限されるような形となりますので、この機会に新しいストレス解消法を見つける、もしくは工夫をすること(3密を避ける場所への外出やオンライン飲み会など)が必要となります。
また発散させるとは少し違いますが、ストレスに対する免疫力を上げることも重要です。適度な運動、十分な睡眠、仕事の合間の適度な休息やリラクゼーション、バランスの良い食事、適度な仕事量が当てはまります。どれか一つでも意識するだけで効果はありますし、全てできている方はストレスに対する免疫力が高い状態にあります。
③ストレスの見方を変える(認知再評価型)
ストレス状態にあると物事の捉え方にゆがみがみられることがあります。その捉え方のバランスをとることでストレスに対処しやすくなります。
具体的には
・コロナウイルス感染症がこれだけ流行っているので自分も必ず感染する(破局的な見方)
→実際には日本では16万人(人口の約1.2%)であり、感染予防することで感染しない可能性のほうが高い。
・政府が外出自粛を要請しているので絶対に外出すべきではない(べき思考)
→外出自粛が必要な理由は感染を広げないためなので、必要な外出なのか、感染リスクのない外出なのか検討することが大切。
・コロナウイルス感染症で在宅勤務になって仕事が思うようにできなくなった。(部分的焦点づけ)
→在宅勤務で家族との時間が増えるといった別のメリットもできた。悪いことだけではない。
実際のストレスに変化はありませんが、ストレスの捉え方を変えるだけで感情などが変わってきます。
④ストレスに対する感情を認識する(情動焦点型)
「なぜか分からないけど、最近イライラが止まらない」「突然涙が出てくる」といった方はうまく感情を処理しきれていない可能性があります。このような方は普段ご自身の気持ちに蓋(抑圧)をしている方が多く、その蓋から感情が漏れ出ている状態です。そのような場合は蓋をするだけでは処理が難しくなっているので、蓋を開けて感情を処理していくことが大切になります。具体的には日々の出来事や感じたことをノートに書きだす、友人や家族に話してみるのが良いです。
以上少し簡略化しておりますが、ストレスコーピングについてお話させていただきました。③、④はやや難しいコーピングになりますので1人では難しいけどぜひやってみたいという方はクリニックや病院でお尋ねください。
また「コロナうつ」になってしまった、なっているかもしれないという方は自己処理しようとすることは、さらに病状を悪化させかねないのでクリニックや病院にお早目にご相談ください。
院長 柳原孝章