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多くの方にご協力いただき、今週2月22日に開院いたしました。私を始めスタッフも慣れないことが多く、ご迷惑をおかけするかもしれませんが精一杯努めてまいりますのでよろしくお願いします。
さて、今回はうつ病に関してよくご質問を受ける「うつ病治療に薬(抗うつ薬)は必ず必要ですか」というご質問にお答えしたいと思います。本稿は「日本うつ病学会治療ガイドライン」を基になるべく分かりやすくお答えしております。ご興味がある方はご一読ください。
まずうつ病治療の大前提として、うつ病という病気や治療法についての丁寧な説明と精神療法、休養(脳を休めること)を含めた環境調整が必須とされています。その上でうつ病と一括りでお答えすることは難しいので、DSM-5という診断基準に基づいて軽症、中等症・重症に分けて考えます。さらに子供(児童思春期)のうつ病は別項として取り扱っていきます。
抗うつ薬の使用は有効というデータと有効でないというデータの両方が存在しており、答えが一貫していません。そのため、安易に抗うつ薬を使用することは避けながらも、重症化や治療が長期化しないように個々の症状を詳細に検討しながら患者様と使用について話し合うことが必要となります。
抗うつ薬の使用が必要となります。重症例や緊急性が高い場合は抗うつ薬の使用の前に入院治療や電気けいれん療法といった特別な治療が優先されることもあります。
従来、子供は大人と同じようなうつ病は存在しないと考えられてきましたが、12歳以降では大人のうつ病の発症率と変わらないことが分かってきました。日本でも子供のうつ病が注目されるようになってきたものの、データがまだ十分になく治療法がきちんと確立していないのが現状です。現時点では精神療法とともに、家族への介入、学校などの環境への介入など複合的・包括的なアプローチが必須であり、抗うつ薬については有効といわれている薬を患者様やご家族に提示して使用するか話し合うことが求められています。
院長 柳原孝章