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いきなりですが、ブログを読んでいただける読者の方はしっかり眠れていますか?睡眠不足は生活習慣病である糖尿病や高血圧、高脂血症のリスクを増大させ死亡率を増加させます。また肥満度とも関係しており睡眠不足は万病の元と言われる所以です(下図に睡眠時間を死亡危険率・肥満度との関係を載せております)。心当たりがある方はぜひこのブログを読んでいただきたいと思います。
眠れなくて困ったときは何科を受診するとよいでしょうか?おそらく内科とお答えになる方が多いのではないかと思います。内科の先生によっては睡眠に詳しい先生もいらっしゃるので一概に間違いとは言えませんが、正解としては心療内科・精神科になります。また近くに睡眠専門クリニックがある場合はそちらを受診していただくのが一番です。なぜこころの病気を治療する心療内科や精神科が不眠症の治療を担当するかというと、不眠症とこころの病気は相互に強く関連しており、眠れないからうつがひどくなる、うつがひどいから眠れないといったことが頻繁にみられ不眠症を日常的に治療しているからです。
私も日常的に不眠症の治療にあたっておりますが、眠れないとお困りになっている患者様で「眠れないからとりあえず睡眠薬をください」とご希望される方が時折いらっしゃいます。この考え方は2つの理由であまり良くありません。一つ目は眠れない=不眠症ではなく、睡眠障害には他にも睡眠呼吸障害、概日リズム睡眠障害、睡眠時運動障害といった他の睡眠障害の可能性(下図に睡眠障害の分類を載せております)もあり、他の病気や原因がないかをまず考えなくてはなりません。
2つ目の理由として眠れない=睡眠薬と安易に睡眠薬を使ってしまうと睡眠薬依存を起こしてしまうリスクがあります。一部の睡眠薬に依存性があることがわかってきており、その依存性は大麻より強くタバコと同等程度と考えられています。そのためこの睡眠薬依存については近年問題視され、2018年からは1年以上長期にわたって同じ睡眠薬を処方するのは、保険診療上きちんと講習を受けた医者に限定するような流れになりました。
以上のように簡潔に眠れない=睡眠薬は良くないということをお伝えさせてもらいました。次回のブログで不眠症の治療の流れについてご説明したいと思います。
院長 柳原孝章