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健康とはどんな状態か考えたことがありますか?病気もせず元気な状態でしょうか?こころの病気を治療していくうえで非常に大事な視点になってきますので今回お話ししてみたいと思います。
いきなり答えになってしまいますが、健康についてはすでに1948年にWHOが以下のように定義しています。原文のほうが伝わりやすいので原文を載せております。英語が苦手な方は英文を読み飛ばしてください。
「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.」
これを直訳しますと「健康は身体的、精神的、社会的すべてにおいて良好な状態であり、単に病気や虚弱がないことではない」となります。つまり身体やこころの病気が治ったとしてもそれだけで健康となるわけではなく、ポジティブな状態になること、さらに社会的にも満たされた状態が必要ということです。
身体が良好な状態はなんとなくイメージがつくと思います。身体の病気を治療するときはその病気を治せば、大抵身体は良好な状態に戻ってくる(なかには長期に病と闘って、身体機能が落ちリハビリが必要なこともあります)ので、身体を診る医療は病気を治すまでがゴールのことが多いです。
しかしこころが良好な状態になるというのは、例えばうつ病を考えたときに気分の落ち込みをなくすだけでは、良好な状態になったとはいえずやる気や意欲などのポジティブな感情がでてきて良好な状態となります。つまり、こころを診る医療は病気を治すだけでなくポジティブな状態まで持っていくことが必要となります。
もう少し分かりやすく説明すると、こころという器があったときにうつ病はネガティブな感情で占められています。このネガティブな感情を小さくするだけではこころという器は空っぽになるだけなので、すぐには難しいですが徐々にポジティブな感情を大きくする必要があるということです。
さらに人は社会的動物といわれるようにこころは社会性とも大きく関係してくるため、こころを良好にする上で社会的に良好な状態にすることも重要となってきます。人は孤立した状態では良好な状態にはなれないということですね。
そうなるとこころの医療では病気を治すだけではなく、ポジティブな状態までケアすることが必要であり、さらに社会的な治療・支援も大切ということです。当院では病気だけを治すという視点ではなく、健康になるために何が必要かということを一緒に考えていきたいと考えています。当院はそれを理念に掲げて診療にあたっております。病気の悩みだけでなく、今回のブログを読まれて自分は健康ではないなとお感じになられた方、お困りのことがあれば当院にご相談ください。
院長 柳原孝章