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休職中の過ごし方

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少し時間があいてしまいましたが、今回は休職についてのシリーズ3回目の休職中の過ごし方を説明いたします。

 

休職は大きく「急性期」「回復期」「復職準備期」の3つに分かれます。

 

  • 急性期

休職したといってもすぐに症状が改善していくわけではなく、様々な症状がしばらく続きます。急性期は症状の改善を目指します。この時期は症状も強く、「頭がごちゃごちゃする」から「眠れない」→「眠れない」から余計に「頭がごちゃごちゃする」といった悪循環に陥りやすいです。そのため休職だけではうまく休むことが難しい場合は必要に応じて一時的に薬を使うこともあります。

 

この時期はエネルギーが枯渇している時期であり、ひたすら充電することを目指します。具体的に意識してほしいことは3点で、①睡眠をしっかりとる、②日中はなるべくぼーっとする(仕事のことからなるべく離れる)、③生活リズムをなるべく崩さない、となります。

 

特にこの中の②が一番難しく、真面目な方ほど、「仕事に穴をあけてしまった」「同僚に迷惑をかけてしまった」と後悔も強く考え込んでしまったり、場合によっては仕事の引継ぎや職場に連絡をとってしまうこともあります。仕事のことから離れるのが早いほど、回復は早いです。中途半端に連絡をとったり、考えるのは結果として復職が遅れ、職場にとっても損失なので離れましょう。ぼーっとするのが苦手な方は頭を使わない作業、例えばTVを観る、マンガを読む、片付けするなど単純作業を行うとぼーっとしやすいです。友人と会う、外出するといった一般的なリフレッシュは逆に気分の落ち込みを強くしてしまうだけですので、避けるようにしましょう。

 

  • 回復期

急性期を抜けてくるとだんだんと症状が改善してくることを実感します。回復期は意欲の改善を目指します。この時期に焦って「復職しないといけない」と考えると失敗することが多いのでまだ復職のことを考えることはしません。

 

急性期の①~③を続けていると暇だなと感じるようになって、余裕がでてくると「〇〇したいな」(例えば、おいしいものが食べたい)という意欲が徐々に戻ってきます。その意欲が出てきた場合は実行可能なものであればぜひ試してみてください。うまくいくと少し疲れを感じるかもしれませんが、「楽しかった」という気持ちとともにさらに意欲が上がってくるのが実感できます。余裕がある方は運動も取り入れていきましょう。

 

 

  • 復職準備期

症状が改善しており、日常生活における意欲も戻り、復職について考えたときに気持ちが落ち込まなくなったら復職準備期です。いよいよ復職について準備を始めます。体力や集中力はかなり落ちておりますので、まずは体力向上のために運動、集中力向上のため読書を行っていきます。また自宅にいる状態から会社という人が大勢いるところにいきなり行くと、気疲れを起こすので人慣れとしてスーパーに買い物に行ったり、公共交通機関を利用するなど外出をします。

 

上記のようなリハビリを行いながら、休職に至った経緯を振り返りながらどのようにして復職するのか主治医や職場の上司(もしくは人事)と一緒に話し合います。休職期間が長引いているときは復職訓練やリワークプログラムを受けることも検討します。

 

以上の経過をたどり、主治医から復職可能の判断がでたらいよいよ復職ということになります。

 

院長 柳原孝章

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