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休職シリーズの4回目です。今回は復職の基準と復職までの流れをご説明します。休職すべきかどうかは主治医が病状から働けるか働けないかの判断のみで決まりますが、復職時は休職時に比べて少々プロセスが複雑になりますので注意が必要です。
まず一読していただきたいのが、厚生労働省から出されている「心の健康問題により職場復帰支援の手引き」です。
この手引きで書かれている復職の基準をベースにして当院では
・労働者が復職への意欲がある、復職について考えたときに精神的に不安定とならない
・就業時と同じ生活リズムとなっている、昼寝をしていない
・通勤が問題なくできる
(朝のラッシュ時にバスや電車でパニックとならない、車の運転が問題ないなど)
・業務に必要な体力がある
(1日5-6,000程度散歩して、当日や翌日に疲労がない)
・業務に必要な集中力がある
(読書を30-60分集中してできる)
を復職するための最低限満たすべき基準としております。最低限としたのは業務内容によって求められるレベルが異なってくるからです。
次に復職の流れについては
となります。
一見すると単純なようですが、2が実は曲者なのです。というのは会社によって復職判断がバラバラで、判断する人も異なります。具体的には
(1)会社独自の復職の診断書がある
(2)産業医の面談のあと、復職委員会の面談も受けないといけない
(3)復職前に必ず試し出勤が必須となっている
などが挙げられます。(1)は医療機関が使う通常の復職の診断書を発行したあとで、実は会社独自の診断書が必要だったとなると追加での診断書の記載が必要になり、大抵は手書きとなるのでそれだけ時間を要し復職の時期が後ろ倒しになる恐れがあります。 (2)はいろいろな視点が入るということではプラスですが、それだけ復職に時間を要するということであり、中には主治医が復職可能と判断してから2か月かかることもあります。(3)に関しても試し出勤やリワークプログラムが必須となると2~3か月程度復職までに時間を要するということになります。
会社の体制や仕事内容がそれぞれ違うので、もちろん復職に関しては会社独自の判断があること自体は当然ですが事前に知っておかないと、「すぐに復職できると思っていたのに予想以上に復職までに時間がかかった」という出鼻をくじかれないことになりかねません。休職直後はそこまで確認する余裕はないと思いますので、復職を考え始めたときには必ず確認をするようにしましょう。
院長 柳原孝章