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2023年も間もなく終わりをむかえようとしています。毎年この時期になると「今年はどんな1年だったかな」とふり返って考えてみることがあると思います。思い通りにいかなかったことや、苦しかったこと、自分のできなかったことに真っ先に目が向く方もいらっしゃると思います。一方で、よかったことや自分ががんばったこと、達成できたことなどを思い浮かべる方もいらっしゃいます。
どちらが良くてどちらが悪いということではありませんが、1年をふり返ったときに今年はぜひ”自分をねぎらう”という視点を取り入れていただけたらと思います。自分をねぎらうということは大切なコーピングでもあります(コーピングとは、意図的に行う自分助けです)。
生きているとだれでも、いたわってほしい時があります。ぜひ、自分で自分を許し、ねぎらってあげてください。自分がどんなに大変か、どれだけストレスを抱えているかを一番よく知っているのは自分自身です。「よくがんばったね」「大変だったね」「少しゆっくりしたら?」、そんな言葉を自分に投げかけてみてください。頭の中で思うより、声に出したほうが効果的です。自分以外のだれかをイメージして、その人に語りかけてもらってもいいと思います。自分をやさしく包み込むような、おだやかなトーンで話しかけてみてください。その際に、自分の肩に手を置いたり、頭をなでたりするとさらに効果的です。可能な方は、実際にだれかにねぎらってもらうのも効果が高く、おすすめです。「私をねぎらって」とはなかなか言いづらいかもしれませんが、ご家族や親しいご友人など、言いやすい方に依頼してみてください。
患者様とお話させていただく日々の中で、ご自身を責めるのは得意だけどほめるのはすごく苦手、という方が多いように感じます。自分をねぎらうことは、自分を必要以上に甘やかしたり、努力をしなくなることとは違います。自分をねぎらうことで、心の中が少しでも良い状態で1年を終えられたら、それが次の年のエネルギーになっていきます。ぜひ、お試しください。
引用・参考文献 コーピングのやさしい教科書 2021年 伊藤絵美
臨床心理士・公認心理師 宇都宮香織