ブログ|福岡市西区姪浜の心療内科・精神科|ひとやすみこころのクリニック姪浜院

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PTSDの基本症状について

まだまだ残暑厳しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?心理士の深川珠央です。

本日はPTSDの基本症状についてお伝えしていければと思います

 

PTSDとは

実際にまたは危うく死ぬ、深刻なけがを負う、性的暴力など、 精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験にさらされることで生じる、 特徴的なストレス症状群
―米国精神医学会診断統計マニュアル第5番(DSM-5)より抜
とあります。直接体験する、あるいは目撃する、近親者の被害を知るなどしてトラウマティックな体験に曝された後の方々によく見られる症状です

 

症状は大きく3つに分けられます。
① 再体験症状:フラッシュバックや悪夢など、その出来事がよみがえるように感じられるもの。
② 回避・麻痺症状:出来事を思い出すような場所や人を避けたり、感情そのものを感じにくくなること。安心感や心地良さというマイルドな感覚から麻痺することもよくあります。
③ 過覚醒症状:強い緊張や不安が続き、ちょっとした音に驚いたり、眠れなかったり、イライラしやすくなること。

 

長期にわたるトラウマ体験では、これらに加えて「気持ちのコントロールが難しくなる」「自分を強く否定してしまう」「人との関係がうまく築けない」といった状態につながることもあります。

 

大切なのは、これらの反応は「心や体に衝撃が残っているために起こる自然な働き」であるということです。実際、症状を説明すると多くの方が「これ、私のことだ」と仰ります。似た体験をすると多くの人に共通して起こり得る反応なのです。

 

ただし、この心や体の反応というものはとてもつらく、誰にも理解されないように感じることもあると思います。「自分の気持ちや症状をどう扱ったらよいのか」「回復は本当にあるのだろうか」と悩まれているかもしれません。

けれども、その苦しさや症状は過去に身に起きた出来事や、その出来事から心と体を守ろうとする自然な働きが繋がり合って起きています。症状は、心と体が一生懸命に生き延びようとした証でもあるわけです。

過去のご自身が心と体を守り抜いてきてくださったこと、現在のご自身が症状に苦しみながらも日々を営んでいること、これはとても尊いことです。

「ここまで頑張ってきたご自身」にとっての日々の歩みは、必ず意味があり、未来へつながっています。

その歩みが安心したあたたかなものであるように、スタッフ一同、心を込めてお手伝いさせていただければと思います。

 

ブログをお読みいただきありがとうございました。
参考図書
米国精神医学会診断統計マニュアル第5番(DSM-5)
臨床心理士・公認心理師 深川珠央

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