ブログ|福岡市西区姪浜の心療内科・精神科|ひとやすみこころのクリニック姪浜院

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新規不眠症治療薬が承認されました

2025年8月25日、不眠症治療薬ボルノレキサント水和物(商品名ボルズィ)の製造販売が承認されました。

眠りたいのに眠れない、夜中に何度も目が覚めてしまう――そんなつらい「不眠症」に悩む方は少なくありません。十分に眠れない状態が続くと、日中の集中力の低下や気分の落ち込み、体の不調など、さまざまな影響が現れます。うつ病の危険因子であったり、糖尿病や高血圧症の有病率が高いことも報告されており、これらの疾患との関連も注目されています。

不眠症治療として従来は、依存性の強いバルビツール酸系睡眠薬や、フルニトラゼパム(商品名サイレース)などのベンゾジアゼピン系睡眠薬、ゾルピデム(商品名マイスリー)などの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などが主に使用されてきました。

しかし近年、睡眠薬の処方頻度の高まりとともに、一部の患者における長期服用時の依存や乱用が社会問題となっています。そのため、ベンゾジアゼピン受容体に作用しない新しい作用機序を有したメラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬が登場しました。

ボルズィは、他のオレキシン受容体拮抗薬と同じく、覚醒に関与する神経ペプチドであるオレキシンの受容体(OX1RおよびOX2R)への結合を選択的に阻害し、自然な睡眠状態への移行を促します。不眠症治療薬として4剤目(ベルソムラ、デエビゴ、クービビック)のオレキシン受容体拮抗薬となります。

ボルズィの特徴として、内服後約30~45分で最高血中濃度に達し、入眠効果にすぐれているとされています。また、半減期は約1時間半から2時間と短く、翌日への持ち越しが少ないとされています。寝つきが悪い方には特に良い適応となるかもしれません。

不眠症状がある場合は、我慢せずに早めの心療内科・精神科の受診をおすすめします。お気軽にご相談ください。

ひとやすみこころのクリニック姪浜院
院長 柳原孝章

 

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