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少しずつ秋の気配が感じられるようになってきましたね。季節の変わり目は調子を崩しやすい時期でもあります。いつも以上にご自身をいたわりながらお過ごしいただけたらと思います。
ところで、マインドフルネスというものをご存じでしょうか?マインドフルネスとは「今・ここ」で体験していることに気づき、味わい、そして手放すための心のエクササイズです。もともとは仏教用語を英訳したもので、日本語では「気づきを向ける」という意味でよく使われます。日本では近年注目されるようになりましたが、欧米ではストレスへの対処やうつ病の治療にも以前から取り入れられています。マインドフルネスを日々の生活に取り入れることができれば、いいことも悪いこともあるがままに受け取られるようになります。様々な出来事や感情のひとつひとつに振り回されることがなくなり、ストレスフルな環境にも否定的な気持ちにならずにすむようになります。
マインドフルネスでは、すべての体験に対して一切の判断や評価をくだしません。イライラしていたら「ふーん、自分はイライラしているんだ」、悲しみには「ふーん、悲しいんだ」という具合にすべてを「ふーん、そうなんだ」と受け止めるだけです。
マインドフルネスの考え方では、感情に「いい」も「悪い」もありません。ただ、そこに「ある」だけです。文字通り「あるがまま」なので「自然に終わっていくのを見届ける」という言葉がしっくりきます。自分の感情に白黒つけず、あるがままに認めることで、私たちはいつでも心をニュートラルな状態に置いておけるようになります。それゆえにマインドフルネスは最強のコーピング(ストレス対処)とも言われます。
ですが、言うは易く行うは難しで、実際にマインドフルネスができるようになるには体験と練習が必要です。マインドフルネスに関する書籍はたくさんありますので、ぜひ参考にしてみてください。また、当院では認知行動療法のなかで心理士と一緒に取り組むことも可能です。ご興味がありましたらお気軽にお声がけください。
引用・参考文献 マインドフルネス&スキーマ療法 BOOK1 2016年 伊藤絵美 コーピングのやさしい教科書 2021年 伊藤絵美
臨床心理士・公認心理師 宇都宮香織