ブログ|福岡市西区姪浜の心療内科・精神科|ひとやすみこころのクリニック

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ぐるぐる思考をストップ!

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梅雨に入り雨模様の日が多くなりましたね。天気が悪いと気分もうつうつとしがちですが、この時期ならではのアジサイの花を見ると気持ちが和みます。このように、同じ状況でも別の角度から見るとまた違った気分になるものです。

 

しかしながら、うつうつとした気分の渦中にいるときには「見方を変えてみたら?」と言われてもなかなかできませんし、できない自分によけいに落ち込んでしまいそうです。抑うつ状態にある患者様の中には「気がついたらいつも同じことをぐるぐる考えている」という悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。

このように“繰り返し考え続けること”を「反すう」と言います。牛などが一度飲み込んだ食物を口の中に戻し再び噛み直して飲み込むことから転じた言葉で、反すうそのものは悪いことではありません。ですが、抑うつの原因や結果などについて考え続けること(抑うつ的反すう)は、抑うつ気分を持続させる要因になるとされています。

 

そこで、今回はこのようなぐるぐる思考(抑うつ的反すう)にとらわれて苦しい思いをしている方々に、いったんその考えをストップする方法をお伝えします。文字通り「思考中断法」といいます。

 

<Step1>

まずは、「また同じことをぐるぐる考えていた」と気づくことから始まります。最初はなかなか気づくことができませんが、これに気づいた時点で最初の一歩を踏み出していると考えてよいです。ぐるぐる思考に陥っている自分を客観視できているという証拠ですから。

 

<Step2>

ぐるぐる思考に気づいたら、すぐに大声で「ストップ」と叫びます。ふたたび考えが浮かんできたら、また叫びます。これを繰り返すうちに考えを中断している時間が延びていくことが期待されます。

どんな刺激が合うかは人それぞれです。手首に巻いた輪ゴムをはじく、立ち上がる、顔を洗う、歯磨きをするなど、簡単でふと我に返ることができる自分なりの刺激を探してみましょう。

中断している時間を測りグラフなどにする(セルフモニタリング)と変化を視覚化できてわかりやすくやる気にもつながります。

思考中断法は、強迫性障害の治療の一アイテムとしても用いられる行動療法の古典的な技法で、外からの強い刺激(音など)によって繰り返し浮かぶ考えやイメージを一時的に中断させ、自分でコントロールできるようになる「セルフコントロール法」のひとつです。「え、これだけ?」と拍子抜けするかもしれませんが、まずは頑固なぐるぐる思考をいったん頭から追い払うことから始めてみませんか?

臨床心理士・公認心理師 石澤 桂子

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